『生命樹と妖精猫たち』
著者:中島 祥子
出版社:書苑新社
発売日:2023/10/13
64ページ
(出版社より)
猫たちよ、どうか永遠に幸福に――
人々の愛猫への想いを込め、描いたその数128。
その猫たちが妖精となって生命樹のまわりを舞う大作の全貌をおさめた記念碑的画集!
BOTANICAL FANTASYシリーズ133作品も収録。
「生命樹と妖精猫たち」は、個展会場を訪れた観客の飼い猫やゆかりの猫たちを128頭描き、6年の歳月をかけて完成させた大作です。
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2001年から描き続けている BOTANICAL FANTASYシリーズは、植物画の中に昆虫の翅を持つネコの妖精を配した水彩画の連作です。これが100作めになったのを記念し、毎年開催している個展会場で始めたのが「生命樹と妖精猫たち」のプロジェクトでした。
会場に約900mm×1800mmの白紙パネルを立て、訪れる人々の飼い猫やゆかりの猫たちの参加を募って、その姿を妖精として鉛筆素描で描きこんでゆきながら、樹木も徐々に描き進むという趣向です。
少しずつ増えてゆく過程を毎年お楽しみいただきながら3年たち、100頭になったところで締め切ろうとしたのですが、先にお申し込みくださっていた皆さまからの「この子を入れたのなら、先代のあの子も入れたい」「いっそ歴代の子たちもみんな入れたい」といったご要望が相次ぎ、もう1年素描状態での公開を延長、結局、総勢128頭の猫が描きこまれました。
その後彩色に着手、途中経過を一度公開したのち、最初の白紙パネル展示から6年めにようやく完成に至りました。
描きかけのまま毎年展示していた中で、この作品の前に集った愛猫家の方々のあいだでは、様々な猫への想いが語られました。その想いの全てを、この作品は受け止めています。
再生の力を秘めた植物の精気に、人は古代より永遠の生命への願いを託してきました。生命樹はその象徴であり、全ての命あるものの帰るべき根源です。
この作品には、多くの猫たちの命の輝きと、彼らを愛する人々の願い……「猫たちよ、どうか永遠に幸福に」という祈りがこめられています。そのエネルギーを、部分毎の画像から感じとっていただけましたら幸いです。
――中島祥子